続がん50話 看護・薬剤編
05 キーパーソンの存在
山田眞佐美
「キーパーソン」とは言葉の語源、「key(鍵)」と「person(人)」が示す通り、物語の鍵を握る人のことで、何かを決定して行動する時に強い影響力を持つ人を意味します。
病院では、患者さんが治療方針を選択する場合に相談したり、患者さんに影響力を与える人などを指します。患者さんが未成年の場合は父親や母親、既婚者の場合は配偶者が多いようです。医師は、初診時の患者さんや一緒に付き添われてきたご家族などの様子をみて、キーパーソンを判断しています。
従来の「おまかせ医療」から「自己決定の医療」の重要性が問われ、患者さんは自分で決めるための情報を、医師や看護師から提供されることになります。インフォームド・コンセント(十分に説明されて理解し、納得したうえでの同意)の考えに基づき、最近では書面による説明と同意書が一般的で、検査や手術の時に患者さんは多くの書類を目にすることになります。
説明には治療によるメリットとともに、デメリットも含まれるため、不安になる患者さんも多く、そのような時にそばで冷静に判断してくれる人が必要です。患者さんやご家族が医師から説明を受ける場合、自己決定を支援するために、看護師も同席させていただくようにお願いしています。
がんは一連の治療が終了しても、長い目で今後の経過を見守っていかなければいけない病気のため、患者さんを支えるキーパーソンの存在は不可欠です。
