情報提供:大阪府立成人病センター

大阪がん情報提供コーナー

続がん50話 看護・薬剤編

49 「薬と食べ物」の相性

大阪府立成人病センター薬局主査
下村好子

相性の良くない「薬と食べ物」の例として、しばしば話題になるのがグレープフルーツです。グレープフルーツの成分が体の中にあるCYP3A4という酵素の働きを邪魔し、CYP3A4で代謝される薬の血液中の濃度を高める可能性があります。CYP3A4で代謝される抗がん剤として、パクリタキセル、エトポシド、イリノテカン、ドセタキセル、イホスファミド、タモキシフェン、ビンブラスチン、ビンクリスチンなどが知られています。グレープフルーツの摂取が結果として、薬の副作用を強める可能性があるため避けた方がよい場合があります。気になる場合は薬剤師にご相談ください。

次によく話題に出るのがハーブの一種西洋オトギリソウ(別名・セントジョーンズワート)を含むサプリメント類です。こちらは逆に、一部の薬について、血液中の濃度を低下させて、作用を弱める可能性があります。慢性骨髄性白血病などに使用されるイマチニブや、肺がんに使用されるゲフィチニブは、グレープフルーツと西洋オトギリソウのどちらにも影響を受ける可能性があり、注意が必要です。

悪性リンパ腫や脳腫瘍(しゅよう)に使う塩酸プロカルバジンという薬は、アルコールの代謝・分解を遅らせて強い二日酔い状態を引き起こすことがあります。このお薬を使っている間は禁酒してください。

大腸がんに使うオキサリプラチンという薬は、冷たいものを飲食することでしびれなどの末梢(まっしょう)神経障害を誘発することがあります。特に点滴後の数日間は冷たい食べ物を避けましょう。