続がん50話 看護・薬剤編
39 呼吸困難感について
長瀧恵
呼吸困難とは「呼吸時の不快な感覚」と定義される主観的な症状である。
と難しく書きましたが、要するに息苦しいという感じは本人にしかわからないということです。息苦しいだけでなく、息が吸いにくい、空気が足りない、胸が重たい、息があがる、身の置き所がないなどいろいろな言葉で表されます。
呼吸困難は、がんの症状の中で痛みや倦怠感(けんたいかん)と並んで多く、肺がん以外の患者さんにもみられることがあり、さまざまな要素が絡んだ結果によって起きると考えられています。
症状を緩和するためには、原因に対する治療に加えて、気管を広げる薬やステロイド(副腎皮質ホルモン)、モルヒネ、酸素吸入といった治療があります。他には、室温を少し低めに調整することや、食事をかみやすくのみ込みやすいものに変える、その人が一番楽な体位(座った姿勢でクッションなどを抱え前かがみになるなど)にするなどの工夫や便通を整えることも大切です。
息苦しさが、「このまま死ぬんじゃないか」という恐怖感や不安感をもたらし、不眠になる人もいます。不安を抑える薬を飲むのも一つですが、腹式呼吸や好きな香りをかいだり音楽を聴いたりというリラクセーション法も有効です。そして、誰かがそばにいてくれるということは何よりも大きな力になります。
息苦しさを訴える患者さんのそばにいると、つい「ゆっくり大きく息をして」と言ってしまいますが、それが逆効果のこともあります。援助の方法や、そばに一緒にいる方の不安や悩みもぜひ看護師にご相談ください。
