情報提供:大阪府立成人病センター

大阪がん情報提供コーナー

続がん50話 看護・薬剤編

24 早期離床を支援

大阪府立成人病センター11階北病棟
副看護師長・小谷美智代、同主任看護師・森有美

「今日から歩けますよ」と手術後の患者さんに声をかけると、「傷が開き、痛みそう」と不安な表情をされることがあります。

早期離床とは、手術後、できるだけ早く体を起こし、座り、立ち、歩くことをいいます。手術の内容によっては長時間の安静が必要な場合もありますが、早期離床は手術後の体と心の回復を促し、社会復帰への近道となります。

ベッドの上で動かずにいると、足の血液の流れが悪くなり、エコノミークラス症候群と同じような静脈血栓症(足の静脈に血液の塊ができること)を生じることがあります。血栓症は肺塞栓(そくせん)や脳梗塞(こうそく)などを引き起こす原因となります。

早期離床の利点は、横隔膜を下げて肺の呼吸面積が広がるために、痰(たん)が出しやすくなり、肺炎などの呼吸器合併症を予防することができることです。また、全身の血流が良くなるため、身体に新鮮な酸素と血液を送ることができ、傷の治りも早くなります。筋力の低下や関節の拘縮(こうしゅく、関節が動きにくくなること)を防止することもできます。もちろん、静脈血栓症の予防にもなります。精神的な面においても昼夜のリズムをつけ、回復意欲と自信につながります。

私たち看護師は医師や他の医療者と連携し、患者さんの痛みを和らげ、一日も早い回復を願って、早期離床への援助を行っています。