続がん50話
09 対策型と任意型
中山富雄
市町村や職場で、費用の大半を公費で賄うがん検診を、最近は「対策型検診」と呼び、人間ドックなど主に個人負担で賄う「任意型検診」と区別しています。
任意型検診では、消化器内視鏡やCT、MRIなどの最新の医療機器が用いられますが、市町村や職場での検診は胃のバリウム検査や胸の単純レントゲンなど、昔からある検査が行われています。
一見すると、任意型検診は精度が高く、対策型検診は精度が低いと思われがちですが、それはほんとうでしょうか。
内視鏡やCT、MRIなどの精密検査用医療機器を、健康な人にがんの検診目的で行っているのは、実は日本だけです。これらの検査は高価で、時間がかかること、放射線被ばくなどの不利益を被る可能性があることなどから、検診として推奨されていないものも中には含まれています。
もちろん、受診される方がそれを理解し、納得したうえで、自費でお受けになることは間違いではありませんが、何も知らないままで受診することのないようにしてください。
一方、市町村での対策型検診は、限られた予算の範囲内で効果を最大化し、受診者に不利益を与えないことを第一の目標にしていますので、科学的に有効性が証明され、推奨される検査法と言えるでしょう。
対策型検診の特徴と任意型検診の特徴をよく理解したうえで、受診を選ぶことが肝心です。
