情報提供:大阪府立成人病センター

大阪がん情報提供コーナー

続がん50話

05 太り過ぎはがんになる?

大阪府立成人病センター調査部疫学課参事
鈴村滋生

「太り過ぎると、脳卒中や心疾患にかかりやすくなる」と、誰もが思っていることでしょう。でも「肥満はがんの危険性も高める」と言われると、「ほんとうに?」という反応をする人が多いのではないでしょうか。

世界がん研究基金(WCRF)は、がんの発症と野菜や肉などの食品摂取や運動などとの関連について膨大な量の学術調査を行い、その結果、「肥満は食道がん、膵(すい)がん、大腸がん、乳がん(閉経後)、子宮体がん、腎がんの発症危険性を高める」としています。

欧米に比べて肥満者の割合が少ないわが国でも、「肥満が乳がん(閉経後)、子宮体がん、大腸がん(男性)と、弱いながらも明らかな関連がある」との研究結果が報告されています。

肥満が、なぜそのような原因になるのかは不明ですが、「脂肪組織ががん細胞をより活性化する物質を分泌しているのではないか」という仮説もあります。

いずれにしても、「適正な体重維持」が重要であることは間違いないでしょうが、WCRFは「野菜と果物の摂取が、がん発症リスクを下げる」とも評価しています。また、がん予防として、「毎日30分程度の運動をすること」も勧めています。

ちなみに、運動習慣は肥満の程度によらず、がんを含めたすべての原因による死亡危険性を下げる効果がありますので、体重がなかなか減らなくて悩んでいる方は、まず運動習慣を身につけることにも努めましょう。