続がん50話
03 アセトアルデヒドの分解
鈴村滋生
お酒を飲むと、アルコールは肝臓でアルコール脱水素酵素によってアセトアルデヒドに分解されます。さらにアセトアルデヒドは、アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって、酢酸(お酢の成分)に分解されます。
アセトアルデヒドを分解する酵素で最も重要なのは、2型のALDH2と言われるものです。ALDH2の働きの強さは遺伝によって三つのタイプに分かれます。
日本人の約5割が若いころから酒が強い「虎型」、約4割強があまり強くなかったのに、鍛えられて飲めるようになる「猿型」(飲めるが、すぐに顔が赤くなる)、残り1割の人がほとんど飲めない「下戸型」です。
お酒が飲めるようにと訓練をしても、ALDH2によるアセトアルデヒドの分解能力は向上しません。逆に無理をして飲むと、気分が悪くなるだけでなく、高濃度のアセトアルデヒドにより、健康を損なう原因となります。特に「猿型」の人は要注意です。
アセトアルデヒドはラットやハムスターに吸入させると、鼻やのどの粘膜にがんをつくることが知られています。飲酒は、食道がんや口やのどのがん、肝がんなどの発がんリスクを高めることが疫学研究でも既に実証されており、乳がんや大腸がんとの関連も注目されています。
さらに、たばこの煙は、アセトアルデヒドとは異なる独立した発がん物質です。ビールジョッキを前に置いて、真っ赤な顔をしたままたばこを吸う行為は、飲酒による発がんリスクをさらに高めています。
