情報提供:大阪府立成人病センター

大阪がん情報提供コーナー

続がん50話

27 新しい放射線治療

大阪府立成人病センター診療局長兼放射線治療科部長
西山謹司

どんながんの治療法も同じですが、がんを治すだけでなく、副作用を起こさないことにも細心の注意を払わなくてはなりません。

放射線治療では、がんの周りの正常組織が照射されることで副作用が起こりますが、最近、正常組織への線量が極めて少ない照射方法が考案されました。これが一般に「ピンポイント照射」と言われる定位照射です。

定位照射では、放射線がいろいろな方向から複数照射され、「3次元定位照射」と呼ばれることもあります。これら複数の放射線はすべてがんを通過するので、がんは十分な線量を受けるのですが、周囲の正常な臓器はがんの病巣の数分の1の放射線しか照射されないため、副作用を起こすことがありません(上の図のようなイメージです)。

この定位照射は、まず脳腫瘍(しゅよう)から始められました。この脳腫瘍定位照射の専用機である「ガンマナイフ」は関西でも数台が稼働し、非常に優れた効果を発揮しています。

その後、定位照射は「リニアック」という装置でも行えるようになり、脳腫瘍以外のがんでも治療が可能となりました。

脳腫瘍以外で定位照射の効果が発揮されるのは肺がんです。今のところ、1期の肺がんの患者さんで、何らかの理由のため手術ができない方にしか用いられていませんが、この肺がんの定位照射の副作用は非常に少なく、しかも、治癒率は80~90%で手術と変わらない有効性があるとされています。