情報提供:大阪府立成人病センター

大阪がん情報提供コーナー

がん50話

07 早期発見へ、肺検診を

大阪がん予防検診センター所長
黒田知純

肺がんは、禁煙指導や検診にもかかわらず、日本の死亡原因第1位のがんです。症状のない受診者を対象とした検診で見つかった肺がんは、ほかの経緯で発見されたものより、5年相対生存率が高いことが既に実証されています。しかし、現在でも肺がん検診の受診率は決して高いものではありません。   現行の検診は、胸部X線検査と高危険群=50歳以上で喫煙係数(1日の本数×年数)600以上または40歳以上で血痰(けったん)のある人=を対象とした喀痰(かくたん)細胞診の併用で行われています。   胸部X線検査は末梢(まっしょう)型肺がん(肺の奥にできるがん)の発見に有効であり、一方、喀痰細胞診は、高危険群に発生しやすい中心型肺がん(肺の入り口の太い気管支にできるがん)の発見に有効です。   胸部X線フィルムは、見逃しを防ぐために2人の読影医による二重読影を行っています。この段階で肺がんが疑われた場合、専門施設で精密検査を行います。   肺がん治療の成績は、がんの中でも悪い方に属しています。大阪府の1998年の届け出患者の5年相対生存率は、肺に限った比較的早い時期でも57・3%で、同じ胃がんの90・0%に比べ、低い生存率です。   大阪府では2005年度から、胸部X線検査では難しい早期の肺がん発見に有効な低線量CTを順次検診に導入しており、その成果が期待されています。