がん50話
05 胃がん検診:早く見つけて、上手に治す
岡野弥高
胃がんは長い間、本邦におけるがん死亡の第1位でしたが、近年、徐々に死亡率は低下し、2003年には第2位になりました。胃がん死亡が減少した原因としては、診断技術の進歩による早期胃がんの発見数の増加や高度な治療技術の普及などが考えられます。しかし、罹患(がんの発生)の面では、依然として日本で一番多いがんであり、重要な疾患であることには変わりありません。検診で発見される胃がんの7割は治療成績が良好な早期がんです。最近では、外科手術に比べてQOL(生活の質)の高い内視鏡治療で治せるがんもよく見つかるようになってきました。より早期の段階で発見するためにも、40歳を超えたら毎年検診を受けることが望まれます。胃がんの一般的な検査法としては、バリウムによるX線検査と内視鏡検査のふたつがあります。X線検査では、空気とバリウムのコントラストによって胃の内部の凹凸を描出し、粘膜の異常をチェックします。うまく見つけだすために、高濃度のバリウムを使って撮影するなどの工夫をし、読影には検診学会の二人の認定医による二重読影が採用されています。内視鏡検査では、病変の拾い上げ、良性か悪性(がん)かの区別、さらにがんの広がりや進行度を診断することができます。内視鏡検査の診断能はX線検査より優っていますが、のどが気持ち悪いのでどうも内視鏡検査は苦手だという方もたくさんいらっしゃいます。しかし、最近非常に細い内視鏡(スコープ)が開発され、これを鼻から入れることによって随分楽に検査できるようになってきました。
