がん50話
48 手術以外の治療
井岡達也
膵(すい)がんは発見しづらいうえに、進行が早くて治りにくいがんです。膵がんが疑われたら、造影CT検査ができる専門病院の受診をお勧めします。しかし、規模の大きい病院でも治療経験が多いとは限らず、事前の情報収集が大切です。
腹腔(ふくくう)動脈などの重要な血管にがんが及んでいる場合は、切除より放射線療法や抗がん剤療法(化学療法)のほうが適しています。また、肝臓などに転移がある場合は、放射線療法よりも抗がん剤療法が優先されます。病気の広がり(病期)に応じた治療方法を主治医と患者・家族が速やかに相談することが必要です。
ここ数年で、抗がん剤のゲムシタビンやティーエスワンの投与が可能になりました。特にゲムシタビンは、吐き気や脱毛などの副作用が少ないので、外来通院でも投与しやすい抗がん剤です。一般的には、切除できない膵がんにはゲムシタビン単独療法が推奨されています。一方、ティーエスワンは吐き気や倦怠(けんたい)感などの副作用も認められますが、腫瘍(しゅよう)を小さくする効果が高い抗がん剤です。
膵がんの治療は日進月歩です。根拠のあるデータに基づき、十分な説明を受けて治療方針を決めましょう。
