情報提供:大阪府立成人病センター

大阪がん情報提供コーナー

がん50話

47 膵臓がんの治療法

大阪府立成人病センター消化器外科部長
大東弘明

膵臓(すいぞう)は頭部、体部、尾部の三つに分けられ、主な手術に体尾部切除と頭部切除があります。体尾部切除では膵臓と脾臓(ひぞう)を摘出しますが、基本的には胃や腸を切除しません。一方、頭部切除では、膵臓だけでなく、十二指腸、胆のう、胆管、胃、小腸など多くの臓器を一緒に切除する必要があり、食物や膵液、胆汁が流れるルートも作り直さなければなりません。

また、進行がんでは大きな血管の切除・吻合(ふんごう=つないで通路を作ること)が必要で、危険性が高く、体への負担も大きい手術です。膵臓は血糖を下げる働きをするインスリンを分泌していますが、がんの進展範囲によっては膵臓をすべて摘出することもあり、この際には終生インスリンの注射が必要となります。

膵がんは早期診断が困難で、診断時には既に進行していることが多いため、完全に治すことが難しいがんの一つです。既に他臓器への転移や広範なリンパ節転移をきたしている時や、周辺臓器、特に動脈への浸潤が著しい時には、切除せずに化学療法や放射線療法を行います。

切除できても局所再発や肝転移再発が多いことから、手術前後に化学療法や放射線療法の併用などが試みられています。

私たちの施設では、手術に局所再発防止のための放射線療法や肝転移防止を狙った化学療法を併用することで、血管まで浸潤した進行膵がんでも50%近い5年生存率が得られるようになっています。