がん50話
39 骨転移とその予防
荒木信人
骨転移は、がんが発生した臓器から血行を介して骨に移動し、そこで骨を溶かして病巣をつくった状態を言います。
骨転移は小さいうちは特に症状を出しませんが、大きくなってくると、骨が溶けて骨折を起こしたり、背骨から飛び出して脊髄(せきずい)という大事な神経を圧迫し、まひを起こして歩けなくなったりします。
これらの病巣は早期に発見されれば、手術や放射線治療で症状が出るのを防ぐことができますが、骨転移が大きくなったり、あちこちに転移してからではうまく治療できません。なるべく早く見つけ、治療を早く始めることが最も重要です。
特に骨へ転移しやすい乳がん、前立腺がん、腎がん、肺がんなどや治療を何度もされておられる肝がんの方は、骨転移によるつらい症状を防ぐために、主治医と相談のうえ、定期的に検査を受けてください。
そして、残念ながら骨転移が見つかった場合には、がんに対する薬や骨が溶けるのを防ぐ薬を点滴したり、骨が折れるのを防ぐ放射線治療や手術、痛みをできるだけ緩和する治療などを行い、さまざまな科の専門医とともに、苦しい症状を予防することができるようにしましょう。
