情報提供:大阪府立成人病センター

大阪がん情報提供コーナー

がん50話

38 「できもの」に注意を

大阪府立成人病センター整形外科副部長
中紀文

手や足にできる小さい「できもの」は、ほとんどが良性腫瘍(しゅよう)であるため、近くの医療機関に受診して局所麻酔だけで簡単に切除(単純切除)されます。しかし、これらの中に悪性の腫瘍(軟部肉腫)が混じっていることがあります。単純切除では腫瘍ぎりぎりで切除されるため、往々にして「取り残し」が生じてしまいます。

本来、手足にできる悪性のできものは「取り残し」がないように腫瘍の周りの正常組織も一緒に切除(広範切除)するのが標準的な治療で、そのような手術を行わなかった場合に再発することがあります。

軟部肉腫を単純切除した後、再発する前に広範切除を行った場合と、再発した後に広範切除を行った場合の治療成績(大阪府立成人病センター整形外科)を比較すると、前者では90%以上の方が治癒するのに対し、後者では60%の方しか治癒しないという結果になっています。

広範切除という治療法は正常組織とその機能をある程度犠牲にする手術で、術後の機能障害を最小限にとどめるには、高度な技術が必要なので、経験豊富な専門施設での治療が不可欠です。

「できもの」の診断名を積極的に尋ね、万一、悪性の腫瘍と診断された場合には、専門医を紹介してもらいましょう。