情報提供:大阪府立成人病センター

大阪がん情報提供コーナー

がん50話

35 血尿はシグナル

大阪府立成人病センター泌尿器科医長
小野豊

膀胱(ぼうこう)がんの発生頻度は、年間人口10万人あたり10~11人で、男性が女性より3倍ほど多く、60~70歳代がピークの高齢者に多いがんの一つです。他のがんと同様に、喫煙が最大の原因となります。

初期症状の多くは痛みを伴わない血尿(無症候性血尿)で、しばらくすると治まるのが特徴です。このタイプは転移などを起こしにくい場合が多く、内視鏡で切除することが可能です。しかし、血尿を繰り返しているにもかかわらず、検査を受けなかったために膀胱の摘除が必要となる方も少なくありません。

膀胱の上皮内がんは内視鏡や腹部の超音波検査などでは分かりにくく、膀胱の中に薬を注入して粘膜全体に治療を施すことになります。

残念ながら、がん細胞が深くまで根を張っている場合は、全摘除術が必要となります。多くの場合、おなかに張り付けた袋に尿を集めることになりますが、最近の調査では、このような患者さんでも手術後の生活の質(QOL)は手術前と比べて、あまり低下していないことが明らかになっています。

また、病気の状態によっては、腸で作った袋を尿道へつなぎ、自然な排尿をすることもでき、男性機能を温存することも可能になっています。

膀胱がんは比較的進行の早いがんです。恥ずかしがらず、怖がらずに、早期に専門医で診てもらうことが重要です。