がん50話
31 早期発見、後遺症残らず
上浦祥司
子宮頸(けい)がんは早期に発見できれば後遺症の残らない治療で完治できます。また、子宮を温存して妊娠分娩(ぶんべん)も可能です。
わが国での0期がん治療法を見ても、1994年には63%の人が子宮摘出手術を受けられましたが、2004年には26%まで下がり、ほとんどの人が子宮頸部円錐(えんすい)切除術(子宮の入り口部分だけを円錐形に削り取る手術法)で治療されました。
近年では、さらに進行したがん(1b期)でも子宮頸部のみを切除し、子宮体部を温存する広汎性子宮頸部摘出術が試みられ、分娩例も報告されています。
早期に頸がんを発見すること、できればその前がん状態の「異形成」で見つけることが最大の予防策です。そのためには、頸がん検診を定期的に受けることが大切です。頸がんになる年齢層の若年化を受けて、厚生労働省は「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」を改正(2004年4月)し、頸がん検診の開始年齢を20歳まで引き下げ、受診間隔を2年に1度にしています。
米国や英国では、18~60歳の女性の8割以上が3年以内に1度は子宮がん検診を受けています。残念なことに、わが国の頸がん検診受診率は平均18・2%と非常に低率です。特に20~39歳の若年層の受診率の低さが目立ちます。
検診を受けない理由には、面倒▽時間がない▽費用がかかる▽恥ずかしいなどがあるようです。受診率を高めるために、頸がんが若い人にも発症することや早期発見で完治できることなどを啓発するとともに、受診の連絡や費用負担の軽減などが行われています。
