がん50話
27 乳がんの早期診断
菰池佳史
乳がんは、女性の代表的ながんの一つです。乳がんの治療は近年、格段に進歩しましたが、乳がんから命を守る基本はなんと言っても早期発見です。 乳がんの集団検診では、マンモグラフィ(乳房専用のX線撮影検査)を併用することで、死亡率が減少することが分かっています。わが国の検診システムも改善され、現在40歳以上の女性に対して、視触診による検診に加え、2年に1回のマンモグラフィ併用検診を行います。 また、マンモグラフィや乳腺エコー検査は、読影者の技量も重要ですが、マンモグラフィについては、医療者の技術の向上を図るためのガイドラインの作成や講習会の開催などが行われています。エコーを併用した検診システムは、その有用性を示すためのプロジェクトが進められる予定です。 ところが、04年の厚生労働省の調査結果では、マンモグラフィ検診を実施している市町村は58・3%、50歳以上の検診対象女性における視触診の検診受診率は10%、マンモグラフィ併用検診はわずか2・6%という低率でした。 欧米のマンモグラフィ受検率は60~80%にもなります。検診システムや医療者の教育システムが改善されても、受検率が低くては何もなりません。一般の女性にもっと乳がんを意識していただきたいし、私たちも行政も啓蒙(けいもう)活動をさらに進めることが必要です。 より早期にがんが発見されることは、死亡率の低下につながるだけではなく、より小さな治療が可能となることも知っていただきたいと思います。
