情報提供:大阪府立成人病センター

大阪がん情報提供コーナー

がん50話

25 グリオーマ、診断と治療

大阪府立成人病センター脳神経外科主任部長
丸野元彦

グリオーマ(神経膠腫=しんけいこうしゅ)は、脳を構成するグリア細胞から発生した腫瘍(しゅよう)の総称で、脳原発腫瘍の約25%を占めます。この腫瘍には星細胞系や乏突起膠細胞系、上衣細胞系腫瘍がありますが、最も多く発生するのは星細胞系腫瘍に属する「星細胞腫」「退形成星細胞腫」「膠芽腫」です。   組織学的悪性度によりグレード1から4までの4段階に分けられ、グレード1、2は良性グリオーマ、グレード3、4は悪性グリオーマと呼ばれています。   グリオーマは発生部位により症状が異なるため、臨床症状だけでは診断は困難ですが、CTやMRIなどの画像で比較的容易に診断できますので、早期に画像診断を行うことが重要です。   治療としては、まず手術で腫瘍を摘出しますが、脳は部位によりさまざまな機能を果たしているため、十分に摘出できない場合があります。そのため、手術ナビゲーションや脳機能モニターなどを駆使し、手術による機能障害を抑えた腫瘍のできる限りの摘出が行われています。しかし、悪性グリオーマでは腫瘍細胞が周辺の脳へ浸潤するため、放射線や化学療法などの補充療法が必要となります。   現在は放射線照射に加え、昨年9月に発売された新規抗がん剤「テモゾラミド」を用いた治療が可能となりました。また、日本では、大阪大学を中心にした「WT1ペプチドを用いた脳腫瘍の免疫療法」の臨床試験などが行われ、さらに、欧米では種々の分子標的薬剤を用いた治験が行われるなど、さまざまな新しい治療法が開発中であり、今後グリオーマの治療成績の向上が期待されています。