情報提供:大阪府立成人病センター

大阪がん情報提供コーナー

がん50話

23 肺がん治療の種類

大阪府立成人病センター呼吸器内科副部長
西野和美

肺がんの主な治療法には手術、放射線、化学療法(抗がん剤治療)があります。さまざまな苦痛を伴うことが多く、がん治療の早い段階から苦痛を和らげる緩和医療を積極的に行うことが大切です。   治療法は(1)肺がんの種類(2)病気の広がり(3)治療に耐えられる患者さんの体力などを総合して決めます。   非小細胞肺がんの場合、がんが肺に限局した0、I期と一部リンパ節転移のある2期は手術、リンパ節転移の程度の進んだ3期では放射線と化学療法の併用、3期の一部と遠隔転移のある4期には化学療法を行います。小細胞肺がんは進行が早く、通常は手術が困難ですが、抗がん剤や放射線治療によく反応します。近年、新しい抗がん剤の登場、副作用予防薬の開発で化学療法は以前より安全で効果の高い治療になっています。しかし、がんが進行し全身状態が悪い患者さんへの抗がん剤の投与は、かえって体調が悪化するため勧められません。   特殊な治療としては、肺の入り口にできた小型の早期肺がんに対してレーザー治療(PDT)を行うことがあります。また、合併症などのために手術ができない場合でも、転移のない小型のがんへの定位放射線治療(ピンポイント照射)や粒子線治療で、良好な成績が報告されています。   最近、分子標的治療薬のゲフィチニブ、エルロチニブ(未承認)が非喫煙者の東洋人の腺がんや、がん細胞の特定の遺伝子に変異のある方に効果があることが分かってきました。しかし、重い副作用が出ることもあり、十分相談のうえ、使用することが大切です。新しい分子標的治療薬も登場してきており、一層の治療法の進歩が期待されます。