情報提供:大阪府立成人病センター

大阪がん情報提供コーナー

がん50話

22 早期発見難しい肺がん

大阪府立成人病センター呼吸器内科副部長
西野和美

がんの主な部位別死亡率の年次推移

日本人の死亡原因の1位はがんで、その中で最も多いのが肺がんです。肺がんの危険因子の一つにたばこがあります。禁煙して10~20年たつと、肺がんの発生率は明らかに低下しますので、ぜひ禁煙してください。   近年、たばこを吸わない人の肺がんも増加傾向です。初期の肺がんは、ほとんどが無症状ですが、進行すると咳(せき)、痰(たん)、血痰、発熱、胸の痛みなどの症状が出ます。腰痛、肩こり、声のかすれ、頭痛、めまい、顔のむくみ、首のつけねのしこりといった症状が実は肺がんによることもあるため、注意が必要です。   肺がんは早期発見が難しく、進行がんで発見されることが多いため、手術できる患者さんは約3分の1です。症状やレントゲン検査で肺がんが疑われた場合は、気管支鏡検査などで肺の病巣の一部を取り、病理検査を行います。顕微鏡による検査で、小細胞肺がんとそれ以外の非小細胞肺がん(腺がん、扁平=へんぺい=上皮がん、大細胞がん)に大別され、治療方針が少し異なります。肺がんと診断がつけば、全身を調べて病気の進展範囲を決める(病期決定)検査をします。病期は0期-4期に分類され、治療法を決めるうえで重要です。転移しやすい場所は、骨、脳、肝臓、副腎などですが、最近登場したPET検査は全身的ながんの有無や転移の部位を描出することができ、病期決定に広く用いられるようになりました。