情報提供:大阪府立成人病センター

大阪がん情報提供コーナー

がん50話

20 過度の喫煙・飲酒が誘因

大阪府立成人病センター耳鼻咽喉科副部長
藤井隆

口腔(こうくう)がんが発症しやすい年齢は60歳前後ですが、その約80%を占める舌がんは20~30歳代の若い人もまれではありません。口腔がんの原因はまだ明らかではありませんが、噛(か)みたばこの習慣があるインドで、口腔がんの発生率が高いことがよく知られており、喫煙・飲酒の化学的刺激や、歯並びの悪い歯による機械的な慢性刺激などが誘因と考えられています。   舌がんの典型的な初期症状は、舌の側縁にできるしこりです。初期に痛みが伴うとは限りませんが、進行して潰瘍(かいよう)が生じると、痛みや出血があり、リンパ節転移が生じると、頸(けい)部がはれてきたりします。   舌がんの治療は、早期では特殊な放射線治療法もありますが、多くの場合、手術による摘出が標準的です。切除範囲が舌の半分以下であれば、切除後の欠損部をさまざまな方法で再建することにより日常生活に大きな支障がない程度の機能障害に抑えることができます。   残せる舌がそれ以上少なくなると、術後の嚥下(えんげ)機能(のみくだすこと)や構音機能(言葉のはっきりさ)の障害は避けられません。手術だけで味覚障害は生じませんが、放射線治療の追加が必要な場合には、味覚障害や口内乾燥などの後遺症が加わります。   口腔がんの予防は、禁煙と過度の飲酒を控えることが大事です。鏡で口の中を自分で見て、異常を感じた場合はすぐに専門医を受診してください。早期であれば、その部位の本来の機能を温存しながら、完全に治る治療法を選択することが可能です。