情報提供:大阪府立成人病センター

大阪がん情報提供コーナー

がん50話

17 肝がんの治療

大阪府立成人病センター消化器内科
春日井博志

肝がんの治療には、肝切除術、局所療法、肝動脈塞栓(そくせん)術、移植などがあり、肝機能(肝障害度A・B・C)とがんの広がり(ステージ)に応じて、適切な治療法が選択されます。   肝切除術は、肝機能が良好で、がんが1個だけの場合に適用されます。   局所療法は、がんが3個以内ですべて3センチ以下の場合が対象で、高周波で熱凝固するラジオ波治療やエタノール注入療法などがあります。適切に治療できた場合には、1週間以内に退院も可能です。   肝動脈塞栓術は、がんが多発している場合に適用されます。何度も再発することがありますが、肝機能さえ許せば、何度でも塞栓術は可能です。   肝移植は、わが国ではがんが3個以内、3センチ以下で、肝障害度Cと肝機能がかなり低下している場合が対象になります。しかし、脳死肝移植は数が限られ、生体肝移植はご家族にドナーが必要であることなどの制約が多いのも事実です。   肝がんは通常無症状で経過し、末期になって初めて自覚症状が出現します。肝がんが次第に進行すると、がんが門脈内に入って食道静脈瘤(りゅう)が破裂したり、黄だん・腹水・肝性脳症を併発したりします。このような場合には、緩和治療として症状を和らげる治療が適用されます。   肝がんは発症すると、完全に治療できたと考えられた場合でも、非常に再発しやすい病気ですので、3カ月に1回程度の定期検査が必要です。それぞれの病態に応じていろいろな治療法がありますので、肝がんと上手に付き合うよう心掛けたいものです。