がん50話
16 ウイルス肝炎予防を
春日井博志

*B型肝炎とC型肝炎に対する治療介入の効果
がん死亡の中で、肝細胞がん(肝がん)は胃がん、肺がんに次いで3番目に多いがんです。肝がんの75%はC型肝炎、15%はB型肝炎から発生します。さらに、C型肝炎では肝硬変に進むほど発がん率が高くなる傾向があります。したがって、ウイルス肝炎の予防と治療が肝がん予防につながると考えられています。 ウイルス肝炎は、輸血用血液の厳密な検査で、感染を阻止することがほとんど可能になっています。B型肝炎の感染予防法は、感染しやすい人(医療従事者、B型肝炎ウイルス保有者の配偶者、保有者から生まれる子供など)に対するワクチン接種が有効です。 C型肝炎の治療ではインターフェロン(IFN)が有効です。最近では週1回の注射で済むペグインターフェロンと内服薬のリバビリンを併用することで、難治性と言われる血清型1型かつ高ウイルス量の患者さんに対しても約5割の有効率が得られています。 B型肝炎の治療には内服薬のラミブジンがありますが、5年で約半数の患者さんがこの薬を服用しても効きにくいという問題があります。この場合には、アデフォビルの併用で、ウイルス量は減少します。 このような抗ウイルス療法以外にも、肝臓病薬やミノファーゲンの注射、禁酒や過労を避けた規則正しい日常生活なども長い目で見て大切です。さらに、肝がんを早期発見するために、ウイルス肝炎の方は3~6カ月に1回の超音波検査やCT検査を欠かさないようにしましょう。
