情報提供:大阪府立成人病センター

大阪がん情報提供コーナー

がん50話

15 肛門温存の手術

大阪府立成人病センター消化器外科副部長
大植雅之

大腸は、盲腸・上行・横行・下行・S状結腸に区分される結腸と直腸に分けられます。結腸の進行がんに対しては、基本的には転移している可能性のあるリンパ節の削除(リンパ節郭清)を伴う開腹手術を行っています。   直腸がんについては、これまでがんの取り残しを極力防ぐために拡大手術を行っていましたが、術後の性機能や排尿機能の障害が問題でした。   最近では、できるだけ自然の肛門と神経機能を温存する手術を心掛けており、進行がんであっても内括約筋切除を行うことにより、肛門を温存できるようになりました。   しかし、年齢、性、病変ができている場所などを考慮して、永久人工肛門を勧める場合もあります。   肛門温存にこだわらず、何よりも術後のQOL(生活の質)を高めることが大切です。リンパ節転移を伴う直腸がんに関しては、症例に応じて手術の前に放射線・化学療法を行い、肛門を温存し、なおかつ局所再発を減らすことを心掛けています。   最近では、赤外線カメラを用いて「センチネルリンパ節生検」を行い、過不足のないリンパ節郭清が可能かどうかを検討しています。   また、転移を伴う進行がんでも、肝臓や肺の転移巣を積極的に切除し、骨盤内の再発に対しては、泌尿器科や婦人科などと協力して手術を行っています。