がん50話
11 自覚症状なくても検診を
竹内洋司
食道がんの自覚症状には、食事のつかえ感▽飲み込む時の痛みやしみる感じ▽胸焼けなどがあります。ただし、早期のがんはほとんどが無症状なので、自覚症状がなくても検診などを受けることをお勧めします。特に、50歳以上の愛煙家、大酒家の方は食道がんにかかる危険性が高いので、ぜひ年に1回は検診を受けてください。 食道がんの診断には、画像検査(バリウム検査、内視鏡検査)が不可欠です。特に早期のがんはバリウム検査では発見しにくいため、内視鏡検査がお勧めです。 内視鏡でもごく早期のがんはわかりにくい場合があり、発がんリスクの高い患者さんにはヨードを用いた色素内視鏡が早期発見に有効です。最近、光の波長を変えたり、特殊な光を用いた内視鏡が開発され、期待されています。 がんが食道の表面にとどまり、リンパ節転移の可能性が極めて低い早期のがんでは、局所的切除としての内視鏡的粘膜切除術(EMR)や粘膜下層剥離(はくり)術(ESD)という内視鏡を用いた治療が選択されます。 リンパ節転移の可能性があるものの、食道から近いリンパ節だけに転移が予想されるがんでは、外科手術か抗がん剤と放射線療法を組み合わせた化学放射線療法が行われます。 食道から離れた臓器やリンパ節への転移や、近くの臓器に直接波及する浸潤(しんじゅん)が認められるがんでは、抗がん剤による化学療法や、食事がとれるようにステントという金属の筒を食道に留置するステント療法、痛みなどの症状を和らげるための緩和医療などが選択されます。
