情報提供:大阪府立成人病センター

大阪がん情報提供コーナー

がん50話

01 予防はまず禁煙から

大阪府立成人病センター調査部疫学課長
田中英夫

日本では毎年50万人ががんにかかり、約32万人ががんで死亡しています。がんを引き起こす環境・ライフスタイルの中で、最も重大な原因物質はタバコの煙です。タバコの煙が接する口の中、喉、気管支、肺、食道にできるがんのリスクが顕著に上がりますが、その他にも喫煙によって膀胱、腎臓、子宮頸部、肝臓、膵臓、胃などの場所にもがんができやすくなります。厚生労働省の研究班が40~69歳の男女9万人を平均8年間観察した結果では、喫煙者グループはそうでないグループに比べて、何らかのがんになる確率は約1.5倍でした。このことからタバコを元々吸わないか、禁煙することによって、がんにかかる確率を3分の2にまで下げることができると考えられます。

では、長年タバコを吸っていた人が禁煙したとして、そのがん予防効果はすぐに現れるのでしょうか?実は、禁煙してからがんの予防効果が出てくるまでには、しばらく時間がかかります。タバコと関係の深い食道がんの発生率が半分になるには禁煙してから5年~10年、肺がんの発生率が半分になるには10年~14 年かかります。つまり、禁煙を始めるなら早いほど効果的で、がん予防の観点からは40歳代までに禁煙をしておくことが望まれます。ただ、呼吸器病や循環器病などの発生率は禁煙してから比較的短期間で低下することから、健康で長生きすることを目標にするなら、何歳で始めても遅くはありません。『禁煙に手遅れなし』次回は効果的な禁煙方法を紹介します。